- 染織
経緯吉野帯「風薫る」
- 伊藤 紗綾
- いとう さあや
- 第37回東海伝統工芸展(平成18年度)
名古屋市教育委員会
- 受賞総評葛(くず)や桑の葉から染めた様々な緑・椿の花からピンク・春菊の花の黄・一位(いちい)の赤茶・臭木(くさぎ)のグレー・コチニールの紫。一つひとつの色を楽しみながら染め出して、一筋ひとすじ感じるままに織り重ね、作者は一条の帯に「若葉の季節」を描き出しました。経緯(たてよこ)の「吉野織」を窓格子に見立てれば、「平織り」の部分は窓外に広がる野山。豊かな情感と確かな技術を携えて、清新な作家が誕生しました。木漏れ陽の林の中を爽やかに吹き渡る風のごとく。