• 木竹工
  • タモ杢筥

  • たももくはこ
  • 篠原 傑
  • しのはらすぐる
  • 第44回日本伝統工芸展(平成9年度)
    日本工芸会奨励賞
  • 受賞総評
    木塊の中に潜む、自らがイメージする作品を掘りだすかのような技法が刳物である。 この作品はその技法で、タモの良材を長手の筥に仕上げている。 ふくよかな丸みや美しい曲面は刳物の特徴をよく生かしており、しかもその造形の自由さに 溺れる事なく、四つの面に分割された蓋の美しい稜線をあやなしシャープさをも兼ね備えている。 難しいタモの拭漆も深みのある色合いに仕上がり、木が本来持っている質感、量感を十分表現し 木に寄せる作者の熱い思いが伝わってくる。手許に置き玉梓などを忍ばせたい佳品である。
  1. 公益社団法人 日本工芸会