伝統はつねに現在する。伝統はつねに現在し、工芸は美の根源にある。こんにち、工芸と呼ばれている世界は、かつては、わが国の美の領域のすべてなのであった。明治維新以来、西欧から導入された美術とわが国伝来の工芸は、それぞれ別個の展開を遂げてきたようにみえるけれども、われわれの美の意識は、いまもなお、この伝統工芸の名を負う世界に根ざしていることを自覚する。
歴史(とき)の移り行きに耐え、かつそれと呼び交いながら、われわれの生活(くらし)の襞(ひだ)に営まれている美の生産を、ともども確かめ合う機会となることを願って、本展を開催する。
2.名称
第18回 日本伝統工芸近畿展
3.主催
主催 | (社)日本工芸会京都府教育委員会 (社) 日本工芸会近畿支部 日本経済新聞社 京都新聞社(京都会場) |
後援 | 文化庁、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県の 各教育委員会 NHK大阪放送局 NHK京都放送局 奈良各放送局 テレビ大阪 KBS京都(京都会場) |
会期・会場 | ・大阪 1989年 5月 2日(火)〜 5月 7日(日) 大阪北浜・三越7階催場 ・京都 1989年 5月11日(木)〜 5月16日(火) 京都四条・高島屋6階ホール |
4.出品
(1)出品は公募とし、当支部(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山各地区)
所属の会員ならびに当地区在住の一般作家とする。
(2)出品作品は本展の趣旨にそうもので、自己が制作した未発表のもので
あること。
(3)出品申し込みは所定の申込書に出品料1点につき6,000円をを添えて
申し込むこと。
(4)出品点数は一人2点以内とする。
(5)出品作品には作品の裏面その他適当な箇所に題名および作者氏名を明記した紙
または布を付すること。(染色に関しては外箱に入れること)
(6)搬入日は4月 1日(土)正午より午後4時までとし、搬入場所は
次の通りとする。
京都市右京区梅津神田町47(高辻通天神川西入) 友琳会館
TEL 075ー861ー1577
会場 075ー861ー9031
(7)作品を受理したときは、引きかえに「預り証」を出品者に渡すものとする。
(8)受理した作品は受理したときから搬出まで、本展はその保管の責を
負うものとする。但し、不可抗力によって生じた損害については、
その責を負わない。
5.列品
陳列する作品は次の通りとする。
本展が定めた鑑査に合格したもの。
6.鑑査
(1)鑑・審査を行うため本展の鑑・審査の選考委員会(実行委員会)を設ける。
(2)鑑査を行うために本展に鑑査会を置き、部会鑑査と二次鑑査を行うものとする。
(3)鑑査委員は、日本工芸会正会員および学識者のうちから運営委員長が委嘱する。
(4)鑑査委員は、互選により鑑査長1名と副鑑査長1名を定める。
(5)鑑査長は鑑査開始前、鑑査委員全員を招集し、鑑査の具体方針を定め鑑査を
統括し、展覧会に陳列すべき作品を決定し、運営委員長に報告すなけらばならない。
(7)鑑査については、異議の申し立てをすることはできない。
7.授賞
(1)本展に出品した作品のうち特に優秀なものに対し、授賞選考委員会の議を経て、
それぞれ下記の通り授賞することができる。
但し重要無形文化財保持者、鑑査委員及び特特者の作品は授賞の対象としない。
日本工芸会賞 1点
大阪府教育委員会賞 1点
京都府教育委員会教育長賞 1点
日本経済新聞社賞 1点
京都新聞社賞 1点
日本工芸会近畿支部長賞 1点
松下幸之助特別賞 1点
日本工芸会近畿支部奨励賞 3点
(2)授賞すべき作品を決定するため、本展に鑑査会主任、副主任をもって構成する
授賞選考委員会を置く。
(3)授賞選考委員会の互選により授賞選考委員長1名を定める。については、
異議を申し立てることはできない。
(4)授賞選考委員長は授賞選考委員会開始前、授賞選考委員会を召集し、授賞選考
の具体方針を定め、授賞選考委員会を統括し、授賞すべきものを決定する
とともに、その結果を運営委員会に報告する。
(5)授賞については、異議を申し立てることはできない。
(6)5月 2日(火)大阪北浜・三越で授賞式を行う。
8.陳列
(1)本展の陳列は実行委員会が行う。
(2)本展の陳列の位置配列などについて異議を申し立てることはできない。
9.搬出
(1)作品の搬出は、別に通知する期間内に「預り証」と引き換えに行うもの
とする。
(2)陳列作品は、会期中搬出することができない。
10.業務の処理
本展の諸業務を円滑に推進するために、下記の委員会を設置する。
(1)運営委員会
(イ)運営委員会は本展開催に必要な事項を審議決定する。
(イ)運営委員は主催者および会場提供者の代表とする。
(ロ)運営委員会委員の互選により委員長1名を定める。
(2)実行委員会
(イ)実行委員会は運営委員会の指示により、本展の実務について審議、実行する。
(ロ)実行委員会は、本展開催の実務上必要な専門家を委嘱することができる。
(ハ)実行委員の互選により委員長1名を定める。
(ニ)実行委員長は、実務の状況を運営委員長に報告しなければならない。
11.本展事務所
本展は事務所を社団法人日本工芸会近畿支部に置く。
〒616
京都市右京区花園岡ノ本町8ー45
細見華岳方
電話:075ー461ー8935
・大阪展会期中
541-8565
大阪市中央区高麗橋1丁目7番5号
三越大阪店販売促進部
tel:06-6203-1331
fax:06-6222-1700
・京都展会期中
600-8001
京都市下京区四条河原町西入真町52
京都高島屋企画宣伝部
tel:075-221-8811
fax:075-252-7249
12.その他
本要項に定めるもののほか、必要な事項は運営・実行委員会が定める。
鑑・審査委員情報
第18回 日本伝統工芸近畿展 鑑査委員・授賞選考委員
陶芸 | 木村盛伸・久保田厚子・近藤 濶・清水保孝 高橋春斉・馬場弘吉・吉田 隆 |
染織 | 伊砂久二雄・坂田彩・清水光美・志村ふくみ 福田喜重・細見華岳・宮島 勇 |
漆芸 | 角谷一圭・北村昭斎・森口邦彦 |
金工 | 上田哲三・角谷征一・田中秀明・宝積正一 山崎光隆 |
木竹工 | 田中耕司・中川清司・早川尚古斎・前田竹房斎 村山 明 |
人形 | 秋山信子・今西敏子・黒川和江・林 駒夫 三門靖子 |
その他 | 清水卯一・高瀬孝信・吉田文之 |
・授賞選考委員
角谷一圭・清水卯一・羽田登喜男・森口華弘・吉田文之
秋山信子・岩渕重哉・角谷征一・北村昭斎・北村武資
木村盛伸・志村ふくみ・高瀬孝信・田中秀明・林 駒夫
福田喜重・細見華岳・前田竹房斎・村山 明・森口邦彦
吉田 隆