- 染織
手紡ぎ糸紬織着尺「その先へ」
- てつむぎいとつむぎおりきじゃく「そのさきへ」
- 山本 恵子
- やまもとけいこ
- 第55回日本伝統工芸中国展(平成24年度)
奨励賞
- 技法紬織
- 受賞総評真綿から糸を紡ぎ、植物染料で染め、その糸を経緯共に使い正確に平織で織っていく。この基本的な作業を丁寧に根気よく続けることによって生まれる美がある。経糸は、様々な色や天蚕糸が細やかに入り、緯糸は、紅花で染めた薄紅と藍の茎で染めた藍鼠色で段ぼかしに織り上げた優し気な色合いからは、作者の人柄も想像出来る。素材と技術と感性が調和した秀作である。「その先へ」という題名からは、作者のこれからの希望と期待が込められているようだ。(土屋順紀)