
- 金工
朧銀地小匣「夢」
- ろうぎんじこばこ「ゆめ」
- 奥村 公規
- おくむら こうき
- 第36回伝統工芸日本金工展(平成19年度)
文化庁長官賞
- 受賞総評中国の故事にある荘子の夢に現れた蝶をイメージして制作された作品である。朧銀地で形成した小匣に、蝶の輪郭を彫り下げて、薄肉彫刻された技法で、肉合い彫りと云う。あたかも彫刻された別の金属を嵌め込んだように見せる手法で、鍔等に多く使われていたが、現在では珍しくなった技法である。最も無駄のない優美な表現は、作者の持つ豊かな感性と、的確な技から来るもので、まさに中国の故事への想いを誘ってくれる秀作である。