• 漆芸
  • 存清かすみ草合子

  • 戸田 友雪
  • とだ ともゆき
  • 第41回西部伝統工芸展(平成18年度)
    日本工芸会賞
  • 受賞総評
    存清は高松に伝わっている漆芸技法である。作者は香川県漆芸研究所で学び、山下哲二氏に師事してこの技法を学んだ。作品は大形のゆったりした形姿をもつ合子。蓋表には中央から外に向かって大きく広がるかすみ草を表しているが、中心部を明るく、外に行くに従って次第に色彩を濃くして、空間の拡がりを感じさせる。側面には、かすみ草の次々と花開く生命力と、そうした時間の流れからイメージしたという抽象文様を表している。存清は茎や輪郭線は線彫り、花には点彫りの技法が用いられて変化をつけている。また、この作品の側面には青漆が施されているが、アルミ粉を混ぜた微妙な色調は、蓋表の黒漆地との対比もよく、高い格調を生み出している。(作品解説・白石和己)
  1. 公益社団法人 日本工芸会