• 陶芸
  • 線彫壺

  • 丸山勝義
  • 第41回西部伝統工芸展(平成18年度)
    朝日新聞社大賞
  • 受賞総評
    丸いプロポーションのとれた練上手の壺である。
    ロクロを引いて、素地が少し堅くなってから全面に等間隔に、縦筋に近い線が斜めに高低差をつけて、丁寧に多く彫られているが、このことが彫漆と同様の効果を上げている。
    それと壺の中央部分にある白い横筋が、単調になりやすいところをよく締めていて、これより細い同様の筋がところどころに入っていることがよくわかるが、ロクロの回転につれて渦巻きにならずに真横に流れているところが面白い。
    地味ではあるけれども、落ち着いた色調におさえた、衒(てら)いのない秀作で、朝日新聞社大賞に相応しい作品になった。(作品解説・鈴木藏)
  1. 公益社団法人 日本工芸会