
- 人形
桐塑紙布貼「夕渚」
- 村瀬 克美
- むらせかつみ
- 第34回東海伝統工芸展(平成15年度)
名古屋市教育委員会賞
- 技法布貼り、桐塑人形
- 受賞総評日焼けした肌、引き締まった肢体、そして伝統の白い磯着、人形をつくる者なら一度は手かけて
みたい海女の姿です。それだけに類型に陥り易い題材でもありますが、作者は難しくも魅力的な姿態に出会い、
大きな桶と腰の手かぎを重要なポイントとして緊張感のある個性的な作品に仕上げました。
デッサン力、色の配分、丁寧に紙を張り重ねる技法、いずれも並々ならぬ力量です。
伊勢神宮に納めるための鮑を捕る海女のニュースから思いを馳せて制作したと作者は語ります。
大事な仕事を終えて帰る人の静かな満足感に、磯の香り波の音が重なります。