花籃「残照」
岐部笙芳(きべせいほう)
- 受賞
- : 朝日新聞社銀賞
- 出品
- : 平成12年 第35回西部工芸展
- 分野
- : 木竹工
この籠は千鳥編みを基本とし、染織の工夫に特徴がある。千鳥編みはタテヒゴに対して、横編みは平ヒゴ一本と小ヒゴ二本の三本を交互にまた、上下にからませるゆえに弾力性のある柔らかな素材の入手がこの仕事の始まりである。特に平ヒゴは節間の長さの物をヒゴの段階で先にぼかし染をするなど、短いヒゴを編み継ぐために重ね合わせが多く難しい仕事である。この籃の特徴であるぼかし染が成功した事が作品の格調を高め、造形もまろやかで口造りの変化に波状櫛目と小判形の縁仕舞いなど、至るところに工夫を凝らした優品である。
