
- 染織
紬織着物「二月」
- つむぎおりきもの
- 小林 澄子
- こばやしすみこ
- 第39回東日本伝統工芸展(平成11年度)
日本工芸会賞
- 技法紬織
- 受賞総評おだやかな縞文様の微妙なリズム感は作者ならではの感性である。
浅葱色の糸は、野生のクサギの実で染めてあり、紅色の経糸は寒中に染めた紅花染めである。仙台在住の作者は毎年、夏に野山に分け入り、クサギの碧色の実を採集するところから仕事を始めるという。経糸の選択は的確で、緯糸の打ち込みもしっかりとして、地風に安定感がある。草木で糸を染めるのが「なによりの喜び」という長年の思いが結集した魅力的な織物である。