- 染織
紬織着物「水無瀬川」
- 青山 直子
- あおやまなおこ
- 第32回東海伝統工芸展(平成13年度)
愛知県教育委員会賞
- 技法紬織
- 受賞総評糸の太さにもよりますが、一反の着尺を織り上げるまでに、約3万回、緯糸を通した杼が経糸の間を通り抜けていきます。染め分けた糸を、一筋ごとに下図に合わせて織り進んでいく作業は、単純で根気のいるものです。
この作品を間近で見ると、経糸の微妙な変化、横段の絣と無地糸の重ね具合など、細やかな配慮の跡がうかがえます。でも、少し離れて見ると、「立涌くずし」のゆるやかな曲線が、際立つ事なく自然に“存在”しています。
織人は、仕上がるであろう、“作品”を見据えつつ、飽きる事なく淡々と手足を動かし続け、『楽しかった』といいました。そういう仕事です。