
- 人形
木芯桐塑布紙貼「故城の月」
- もくしんとうそぬのかみばり「こじょうのつき」
- 三門 靖子
- みかどやすこ
- 第26回伝統工芸人形展(平成24年度)
文化庁長官賞
- 技法桐塑人形、紙貼り
- 受賞総評月を見上げる顔貌には、やさしく気品が漂う。「故城」は、チベット・ラサにあるポタラ宮で、作者がかねてから追究する舞台。見所は柱にもたれる人物の重心表現である。この難しい課題に見事に応え、鑑審査員から高い評価を受けた。左足の「遊足」もさすがである。衣服や装身具は、主題にリアリティを加味させる重要な要素だが、細部をも見逃さない日頃の研究が結実し、同時に生々しさを抑えた「人形表現のための昇華」がある。(竹内順一)