
- 漆芸
彫漆犀皮文様合子
- ちょうしつさいひもんようごうす
- 松本 達弥
- まつもとたつや
- 第23回日本伝統漆芸展(平成17年度)
日本工芸会賞
- 技法彫漆
- 受賞総評犀皮とは、中国の宋時代に制作された屈輪模様の一つであり、色は黄漆と朱漆を数回ずつ交互に塗り重ね、表面を黒ないし茶褐色(透漆)で塗ったものが多い。模様は表面の色で抽象的な曲線模様を表している。彼は、平成9年に徳川美術館で開催された唐物漆器展で、宋時代の屈輪文犀皮という漆器に出会い大変興味を持ち、中国の文献や数少ない伝世品に原初を尋ねて犀皮を追求し、平成11年には、古刹の犀皮文大香合の制作を行い、より犀皮の魅力に惹かれて行ったと聞く。昨年の朱漆に変えて、今回の黄漆を基調とした作品は暖かい広がりを感じさせ、古法を想起させない生新さがある。(記山口松太)