
- 漆芸
乾漆「咲きはじめた花盃」
- かんしつ「さきはじめたはなさかずき」
- 野口 洋子
- のぐち ようこ
- 第23回日本伝統漆芸展(平成17年度)
東京都教育委員会賞
- 技法乾漆
- 受賞総評見る程に清楚で可憐な盃は、誰もが手元に置きたくなる。蕾から八分咲きまで、開いてゆく過程を五つの形で表現し、入れ子にすることで八重椿に様変わりする。美しく収納するところまで考慮され完成度が高い。プラチナ箔の砂子蒔きの仕上げは、用途に適い朱色を引き立てている。小品でありながら、一つ一つが稟として力強いのは、作者が20年あまり掌のなかで慈しみ育ててきた椿への愛着と、確かな描写力と造形力による。(記根本曠子)