
- 漆芸
彫漆水指「沈丁花」
- ちょうしつみずさし「じんちょうげ」
- 松本 達弥
- まつもとたつや
- 第36回東日本伝統工芸展(平成8年度)
日本工芸会賞
- 技法彫漆
- 受賞総評乾漆の技法を使った柔らかな形体の●地を用いて、白から緑、黒そして又白へと、漆を七十回程グラデーションで塗り重ねをし、蓋の部分には堆漆の板を張合わせた物をつまみに配し、重厚で且つ粋な感じを持たせている。彫漆の技法で白と黒で表現された沈丁花が、黒を基調としたバックのグラデーションの中に心地好く溶け込み、葉の部分には真珠を象嵌して朝露の感じを表わしている。レリイフ状の白い花の部分の小気味好さが、作者の洗練された彫漆の技術とテーマへの思いが感じられる優れた作品である。