
- 陶芸
象嵌泥彩花器
- 西田 真也
- にしだしんや
- 第31回東海伝統工芸展(平成12年度)
三重県教育委員会賞
- 技法象嵌
- 受賞総評豊かな膨らみを持った広口の花器。器に沿った五色の聡明な縦縞は、上から下へ美しく流れ、収斂されていきます。三色の泥彩は成形後に施し、白線は素焼後に埋め込む。黒い細線は、実は色土を使わずに、柔らかいうちに鉄ベラで押し引いた深さ一ミリ弱の溝で、穏やかな階調の縞文様を引き締めています。細やかな雫状の釉滴は器の中にも降りかかり、凹面までも繋がった一体感があります。着実に積み重ねてきたこの技法を作者は今回、抑えた大きさの作品に凝縮させました。調和のとれた優品です。