
- 漆芸
蒔絵飾箱「麦穂」
- まきえかざりばこ「むぎほ」
- 室瀬 和美
- むろせかずみ
- 重要無形文化財保持者
- 第32回日本伝統工芸展(昭和60年度)
日本工芸会奨励賞
- 技法蒔絵
- 受賞総評蒔絵に螺鈿(らでん)・漆絵・切金(きりかね)等の各種技法をまじえた精妙な作。両側面に錆上げ黒漆描で麦を描き、穂は一段高く表し、所々に金切金を置いてアクセントをつけている。蓋表から側面に連続する平行線は金平目(ひらめ)に丸粉を蒔いてあり、春風に靡(なび)く麦のうねりを象徴する。未だ膨み切らない穂をかすめる早春の風が、爽やかな香りを伝えて来るようである。