
- 染織
綴帯「流」
- つづれおび ながれ
- 細見 巧
- ほそみたくみ
- 第36回日本伝統工芸染織展(平成11年度)
文化庁長官賞
- 受賞総評ここ数年にわたって、多色を用いずモノクロームに近い感覚で、幾何学的なパターンを追いつづけている作者である。綴織の技法の制約をむしろ逆手にとった構成は実に新鮮で美事である。伝統的なパターンや過度の情緒に流れ易い分野であるだけに、このような知的な表現は、新しい方向として貴重であると思う。しかし、点在する小さい水玉や甘いパープルの色調などには、作者の感覚的な揺らぎも感じられる。