
- 漆芸
籃胎蒟醤盆「炎」
- らんたいきんまぼん「えん」
- 藤田 正堂
- ふじたまさどう
- 第37回東日本伝統工芸展(平成9年度)
東京都教育委員会賞
- 技法籃胎、蒟醤
- 受賞総評胴張りの器は、表裏二重に竹を編み素地制作し漆を塗った籃である。円形の高台は檜の曲げ輪で作る。それらに黒呂色漆を十回塗り重ねる、日輪を思わせる中心部の朱色は同心円状に浅く丸刀で彫り、朱漆を暈しながら数回入れる。炎の彫りに黄口朱・赤口朱漆を入れ炭研ぎして仕上げる蒟醤彫りである。籃胎蒟醤の技法は、桃山時代にアジア漆文化圏東端の我が国へ、シャム(タイ国)より渡来したもので、現在も西端の漆国ミャンマーで盛んである。伝統と国際性を持つ技術が作者の感性により明快な現代的作品に仕上がっている。