
- 金工
赤銅銀打出象嵌花器
- しゃくどうぎんうちだしぞうがんかき
- 前田 宏智
- まえだひろとみ
- 第41回日本伝統工芸展(平成6年度)
高松宮記念賞
- 技法象嵌
- 受賞総評銀板と赤銅板とを接ぎ合わせ打ち締めて八稜の形を打ち出し、継ぎ目を中心に上下に間隔の広がる平行線の細い銀線象嵌を施した花器である。滴(しずく)を思わせるこの形は作者の得意な形であるが、象嵌された銀の細線は継ぎ目を上手に使い、狭い間隔から広い間隔への変化は音楽的で形に調和し美しさを強調している。蜘蛛の巣への連想を誘う詩情豊かな優品である。