
- 染織
市松絽織夏帯「晨」
- 松田 えり子
- まつだえりこ
- 第27回西部伝統工芸展(平成4年度)
朝日新聞社金賞
- 受賞総評素材の持つ質感、織の技術、黄と藍―こぶな草と藍の生葉―の色彩の配分が作者の手もとにおいて、これほど無理なく各々の本領を発揮し、それが織物の美の領域をくまなく徘徊し、結晶した作品は珍しい。作者自身もおそらく予想外の効果、完成の不思議に戸惑ったのではなかろうか。仕事はある点で自分の手の及ばないところで終結を迎える。けれどそれは作者自身の弛まぬ精進のたまものであり、日頃の心がけをくみして与えられたご褒美であるような気がする。盛夏涼風の立つ宵に、この裂を透かせて、天の星を仰ぎたい思いがする。