
- 漆芸
乾漆蒟醤合子「小鳥」
- 佐々木 正博
- ささきまさひろ
- 第22回日本伝統漆芸展(平成16年度)
東京都教育委員会賞
- 技法乾漆、蒟醤
- 受賞総評深い被せ蓋の合子で乾漆製、内に懸子が付き、錆の肉付によるやわらかい多角の器形となっている。蓋の甲表には、ぼかされた草花市松の地紋様の上にルリ色の小鳥と葡萄の実が色鮮やかに蒟醤で描かれている。甲表の縁から側面は暗く塗り表され、その下一面に枝葉と果実を伸ばしたナズナが蒟醤で描き表されている。そうした蒟醤の彫りや色彩、色の重ねといった表現効果を巧みに求めながら、構成の展開や明暗の対照が合子のかたちと程よいバランスを保った優品である。