
- 染織
紬織着物「初雪の朝」
- つむぎおりきもの はつゆきのあさ
- 山下 郁子
- やましたいくこ
- 第51回日本伝統工芸展(平成16年度)
日本工芸会総裁賞
- 技法紬織
- 受賞総評初雪の舞い降りた朝は、見慣れた風景も別世界と化し、澄んだ青空に新雪の白が照り映え厳粛な気持ちになる。作者はこの情景を率直な感動のまま白・藍・鼠の色調に結実させた。斜めに横切る白は夜来の風雪を、緩やかな白のカーブは雪山の稜線を熟練の緯絣(よこがすり)で表し、その間にかすかに浮かぶ白は絶妙な経絣(たてがすり)で柔らかな新雪を表したという。雪の表情を繊細な感覚で捉えつつ、気負いのない大らかなバランスでまとめた逸品である。 (藤本恵子)