
- 漆芸
蒔絵箱「秋野」
- まきえばこ「あきの」
- 中野 孝一
- なかのこういち
- 重要無形文化財保持者
- 第33回日本伝統工芸展(昭和61年度)
朝日新聞社賞
- 技法蒔絵
- 受賞総評秋の野を跳ね回る子兎の表情がいかにも可憐で、身近かに飼って日頃観察を続けた的確な眼と、小動物との心の通い合いから生まれた作品である。落ち着いた色調の白漆地には、粗い金粉と平目粉を蒔き、切金を置いて変化を見せている。兎は高蒔絵に黒乾漆粉で毛を表わし、萩や芒には卵殻・厚い白蝶貝・金の金貝(かながい)・切金を用い、それぞれの材質感を効果的に生かしている。