
- 染織
友禅訪問着「群」
- ゆうぜんほうもんぎ「むれ」
- 水橋 さおり
- みずはし さおり
- 第61回日本伝統工芸展(平成26年度)
日本工芸会奨励賞
- 技法友禅染
- 受賞総評遠目には帯状の簡潔な意匠だが、近づいてみると文様の別世界が広がっている。そこにいるのは羊。ざっと数えただけで、少なくとも360頭が群をなしている。その一頭一頭は、姿形も表情も異なり、江戸時代後期に流行した菊花尽しの図様を彷彿させる。意外性や見立てなど、幾重にも仕掛けられた意匠性には、作者の遊び心が横溢している。ともすると硬直しがちな現代の友禅染に風穴を穿つ快作である。 (丸山伸彦)