
- 漆芸
蒔絵八角箱「月華」
- まきえはっかくばこ「げっか」
- 大角 裕二
- おおかど ゆうじ
- 第61回日本伝統工芸展(平成26年度)
文部科学大臣賞
- サイズ縦18.0 横18.0 高19.8 cm
- 技法蒔絵
- 受賞総評八角形の縦長の箱で、印籠蓋造型であるが、蓋部分の側面が長く、身の側面もそれに合わせて長い。蓋表には彩切貝技法で正円形を作り、中に裏彩色技法で狐を浮かび上がらせている(裏彩色を施さない、貝本来の透過光に文様を浮かばせている)。側面は、高台寺蒔絵スタイルの跳ね飛ぶようなリズミカルな薄文を、蒔貝風の貝小片を一列に並べたものと、銀蒔地に描割りによるものの二種類で、八面に交互に表している。身は二重になっており、一つおきの四面に、上に兎、下に狐の組み合わせで、交互に金と銀の蒔絵で表している。全体として秋の月夜に気持ち良く遊ぶ狐と兎が、抑揚豊かなスタイルを持ってあらわされており、実に爽快な作品である。(金子賢治)