
螺旋紋花籃
- 辻完
- つじ ゆたか
- 第22回東海伝統工芸展(平成3年度)
日本工芸会賞
- 受賞総評この作者は一昨年にひき続き、再び最高賞に輝きました。
高さ33センチ、径13センチのこの作品は、出来あがるまでに20枚以上の図を描き、形を決定するまでに3ヵ月かかりました。縦88本の竹ひごも含め、二百数本のひごは先に染料で染め、編み上ってから漆をかけています。さらに2ヵ月半もの作業です。
重量感、安定感を出すため、精緻に編んだ下部から、2本の螺旋が追いかけ合いながら美しい軌跡を描いて伸びています。拡がりのある調和した空間をつくり上げた、すがすがしく上品な傑作です。