
- 漆芸
沈金飾箱「ソナタ」
- 鳥毛 清
- とりげきよし
- 第19回日本伝統漆芸展(平成13年度)
日本工芸会賞
- 技法沈金
- 受賞総評秋の夕暮れ、どこからかピアノの音がする。平和な想いを作者は散歩道で見つけた枯葉に託して洋ナシとリンゴとのハーモニーを一つの箱の中に表現している。葉の色は黒地に白漆と朱合漆を数回たたき塗りした後呂色上げし葉の輪郭を線彫りし朱合漆で埋める。地色は点彫りし、金粉と緑の顔料を摺り込んでいる。側面の果実は極小の点彫り(砂ボチ)とし周囲の点彫りでその効果を強めている。作者の日頃の修練が集約された優品である。