
- 漆芸
蒔絵合子「蝙蝠」
- まきえごうす「こうもり」
- 古田 一
- ふるた かず
- 第55回東海伝統工芸展(令和6年度)
名古屋市長賞
- サイズ奥行24 幅24 高9 cm
- 受賞総評「蝙蝠」とあるが、蓋表には月下美人のみで、蝙蝠は見られない。蓋を開けて始めて、見込から蓋裏、底裏まで、蝙蝠が所狭しと描かれてることに気づくわけであるが、蝙蝠と言えば夜、だから月下美人なのか、であれば月下美人の背後に塗られた黒漆は、単なる地塗りではなく夜を表しているのではないかと、感心はもう一度蓋表へと導かれる。見る者をこれほど楽しませる意匠は、まさに手に取って使う道具である工芸の醍醐味と思われる。(小川幹生)