生絹着物「鮎の瀬」(きずしきもの「あゆのせ」)

重要無形文化財保持者 土屋順紀(つちやよしのり)

受賞
: 日本工芸会総裁賞
出品
: 平成8年 第43回日本伝統工芸展
分野
: 染織

染色に限らず、抽象的な形象表現の作品に、文芸の香りただよわせる作品名を付すことは、 作家の意図を明らかにするとは言え、鑑賞に限界を与えて良くないと常に思う。 しかし、この「鮎の瀬」は見る者の感動をより豊かにする。初夏、爽快な瀬音、 むせる新緑の芳香、きらめく陽光など、一領に無限ともいえる幅や奥行きをそえている。 それは素材と技術と意匠、工芸制作に欠くことのできない三要素がそれぞれ十分に練られた結果で、 調高い世界を示す作品となっている。

生絹着物「鮎の瀬」