• 木竹工
  • 朴拭漆盛器

  • ほおふきうるしもりき
  • 川口 清三
  • かわぐちせいぞう
  • 第54回日本伝統工芸展(平成19年度)
    東京都知事賞
  • 受賞総評
    刳物は、一木から彫り出す自由な造形性、木の持つ量感と材質感の表出に創作の課題がある。本作品は、力強い曲線を持った楕円形を組合せ、宇宙を造化する陰陽の力を表現した。十年間乾かした朴を一度に削りだすのではなく、鑿(のみ)と小鉋(かんな)のみで、くるいが生じないよう、また木の導管に配慮して半年間かけて少しずつ彫り出した。木目の美しさと深みのある色調は、拭漆を十回施しているからである。ダイナミックで重量感のある造形感覚は、今回の木工出品作の中で一際光彩を放っていた。                                     (内田篤呉)
  1. 公益社団法人 日本工芸会