• 木竹工
  • 欅拭漆合子

  • 川口 清三
  • かわぐちせいぞう
  • 第30回東海伝統工芸展(平成11年度)
    名古屋市長賞
  • 受賞総評
    「合子」とは蓋と身が合わさる器です。
    材料の「欅」は、環孔材でもあり、導管が環状になている為に木目がよくでます。
    技法は、刳物技法でノミで荒彫を施し、狂いを出しては序々に彫り込み、最後に羽根虫鉋(はねむしかんな)(手の平にのる小さな鉋)で仕上げます。
    「拭漆」とは、生の漆を十数回、塗っては拭き取ります。古来からの技法ですが、きちんと美しく仕上げるには至難の業です。
    この作品は、「拭漆」も見事であり、天の甲盛、四方角の塵の出し方、強弱の曲線のまとめ方など非常に優れた造形感覚を感じ、観る者に快いハーモニーを伝える優品です。作者の日々の研究の努力が窺えます。
  1. 公益社団法人 日本工芸会